HAW

様々な分野で活躍中の方々に、仕事について、生き方について、お話を伺うインタビューシリーズ

vol.3 2018.10.01

アクティブシニア《 殿川 丈司さん 》インタビュー

70歳を超えてワーク・ライフ・バランスを実践されている殿川丈司さんに、仕事について、シニアの方へのアドバイスなどを伺いました。

団塊の世代

HAW:
ご出身はどちらですか、どんな子供時代を過ごされたのでしょう?

殿川氏:
高田郡吉田町(現安芸高田市)の生まれで高校卒業まで住んでいました。
田舎なので子供の頃といったら野原や田んぼなどで遊び回ったり、今は子供の数もぐんと少ないようですが昭和23年生まれの団塊の世代ですから小学校の時は2クラスあって同級生は80人余りでしたかね、皆で三角ベースの野球をやったり冬は手作りの橇で滑ったりともっぱら遊んでばかりの子供でしたね。

定年退職、再雇用

HAW:
どんなお仕事に就かれていたのですか?

殿川氏:
高校を卒業して、広島の運送会社にしばらく勤めた後、知り合いの方から医療関係機関の仕事を勧められ、勤めることになりました。そこでは放射線技師の勉強に東京へ研修に行かせて貰ったりして有難かったのですが、国家試験に合格できず申し訳ない気持ちもあって6年ほどで退職しました。次の仕事先を探している時、またある方から「市内の法人で職員を募集しているところがあるから受けてみたら」と勧められ、その法人で主に会計部門の仕事に就き定年まで勤めました。仕事に関してはいつも節目節目でいろんな方から助言や手助けをしていただいて、お陰様でこれまで何とかやって来れたなあと感謝しています。60歳で定年退職したのですが、再雇用で引き続き元の職場で勤務させてもらいました。しかし業務のコンピュータ化や作業が複雑化してきて、その都度周りの職員の人が忙しい中フォローしてくれるんですけど自分として付いていけてないなあと感じるようになり、4年で退職しました。

張りのある生活=仕事

HAW:
再雇用を辞められて、また仕事に就かれた理由は?

殿川氏:
再雇用の勤務を辞めた当初は正直やれやれストレスも無くのんびりできるなあとうれしかったのですが、ひと月ふた月経つうちに今日もすることが無い、人と話すことも無い生活で、毎日いかに時間を潰すかということがすごいストレスになってきました。町を散歩したり、図書館で新聞を読んだり、スーパーの特売日に並んで買い物をしたり、市の催し物があれば覗いてみたりしてもそんなには時間が経っていかない。暇なのでコタツの上に4人分の牌を並べて一人麻雀をしたりしていました、牌を積もって切っては隣の席に移ってとコタツの周りをぐるぐる回りながら一人で4人麻雀をするんですが、ちっとも面白くなくて止めましたけど。お昼にはスーパーで買った弁当を公園のベンチで食べたりするんですけど、たまにビールを飲んだりするようになって、さすがにこれではいけないな、やはり仕事をしようと考えました。
ハローワークで求人の検索をするんですが、初めてなのでどんな仕事なのかのイメージも湧かないし自分ができるのかということも分からないという状態でした。ある時ハローワークの相談員から「シルバー人材センターでシニア向けの訓練講座があるから受講してみたら」と言われてシルバー人材センターの講座を受講することにしました。交通整理の仕事、清掃、ビルメンテナンスのコースを受講し修了証書を貰ったものの、自分に向いているのか不安で、まずは自分はどんな仕事に就きたいのか、条件をはっきりさせようと考えました。「屋外作業は嫌なので屋内で出来る仕事、事務的業務や接客業務は嫌なので清掃等の定型的独立的な作業がいい、自宅から近く自動車通勤できる場所が望ましい」という条件を決めて、ハローワークの相談員に相談すると「じゃあ一緒に探しましょう」と言って自宅近くにあるプール等の清掃の求人を提案してもらい、そこで週3日午前中3時間働くことになりました。
仕事を始めると定時に出勤して準備し作業の打ち合わせなど同僚と話して、作業が終わり「お疲れ様でした」と言って帰ることが心が安らぐというか楽しくなってきて、じゃあ空いてる午後も働いてみようかと思うようになりました。ハローワークの相談員から「広島市がやっているシニア就職相談コーナーがあるのでそこに相談してみては」とアドバイスされ、そこで寮の清掃の仕事を紹介していただきました。今ではプール等の清掃を火木土の午前中、寮の掃除を木土の午後と金曜日の午前という形で2か所で仕事をしてします。

仕事をさせていただくという思い

HAW:
これから再就職をしようと考えているシニアの方へメッセージをいただけませんか?

殿川氏:
僕も働き始めて生活に張りが出て、明日は仕事に行かなきゃと思うとお酒も控えるし生活のリズムが整ったように思います。元気なうちは自分にできる範囲の仕事をやるのが、健康の管理や楽しく暮らすことにつながると思います。
仕事を探すうえでは、現役の時の自慢やプライドは百害あって一利なしです。卑屈になることはありませんが仕事をさせていただくんだという感じで自分に合った仕事を探すというスタンスが重要だと思います。私も知らなかったのですが、シニアの相談窓口は結構いろんな組織が手掛けています。国のハローワーク、広島県のひろしま仕事館、広島市のシニア相談窓口、ここのキャリアセンターHAWのような民間のシニア相談コーナー、それらを幅広く活用してアドバイザーにまず自分の希望などを相談してみること、それが納得のいく働き先を見つける近道だと思います。

お寺巡りとゴルフでリフレッシュ

HAW:
最後に最近どんなことを楽しんでおられますか?

殿川氏:
四国の八十八か所巡礼の広島県版がありまして、お寺を廻りお参りしてお札を戴くんですが、県内といっても行ったこともないような山奥のお寺もあり地図を準備して下調べをしては車で回っているんです。人気もない山寺へ参拝し森林浴をさせてもらうと本当に清々しい気持ちになる、残りは宮島の六か寺なのですが終わったら二回目にチャレンジしてもいいなと思っています。
また、友人たちが誘ってくれるので月に1、2回程度ゴルフに行くんですが、他愛もない事を言いながら、でもスコアは負けたくないんで真剣にやるんですがこれが楽しい。そして家に帰ってスコアカードを眺めながら、あのショットはミスったなあなどとお酒を飲みながら思い返すのがまた楽しい。先日のゴルフでは久しぶりに80台で回れて、その夜のお酒は格別に美味しかったですね。

「仕事をはじめてから体調も良く元気になりました」と人懐っこうそうな笑顔で快活に話される殿川さん、まさに「働くことは生きること」を実践されておられる方のお話は面白く、温かい元気をいっぱいいただきました。

  • interviewed by Tetsuo Kubo
  • photo by Tetsuo Kubo
  • 2018.9.21